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赤朽葉家の伝説




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赤朽葉家の伝説
「赤朽葉家の伝説」桜庭 一樹 (著)

「山の民」に置き去られた赤ん坊。
この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。
これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。――

千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。
高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。


未来が視えるという万葉の不思議な力。
その力は、製鉄業を営む赤朽葉家を 窮地から救ったこともある。
しかし、自分にとって大切な人たちの未来を視てしまうこともある。
未来を知ってしまっても変えることはできない。
ただ運命に向かって突き進む人たちを見守ることしかできない万葉の姿は、胸を打つ。

また、時代が大きく変わる中、流されることなく己の信念を貫き 通した万葉の娘毛毬の生きざまはすさまじい。
生きるということは、こんなにも 激しいことなのか。

ラストの毛毬の娘瞳子の万葉への思いには、ほろりとくる ものがあった。
赤朽葉家に関わる人々が織りなす物語も、切なくてほろ苦い。

これから、瞳子そして私たちが生きる未来はどうなっていくのだろう?

自分自身の人生についても、考えさせられるものがあった。
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警官の血(上巻)




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警官の血 上巻
おすすめミステリー「警官の血」佐々木 譲 (著)


帝銀事件が世を騒がせた昭和23年。
希望に満ちた安城清二の警察官人生が始まった。
配属は上野警察署。

戦災孤児、愚連隊、浮浪者、ヒロポン中毒。
不可解な「男娼殺害事件」と「国鉄職員殺害事件」。

ある夜、谷中の天王寺駐在所長だった清二は、跨線橋から転落死する。
父の志を胸に、息子民雄も警察官の道を選ぶ。
だが、命じられたのは北大過激派への潜入捜査だった。ブ
ント、赤軍派、佐藤首相訪米阻止闘争、そして大菩薩峠事件―。
騒然たる世相と警察官人生の陰影を描く、大河小説の力作。

良作でした。
あっという間に読み終わりました。
祖父・父・子と三代続く警官人生です。
善良な警官として生きようとする彼らがいろいろな苦労に直面しています。非常にリアルです。
警官の人生やその周りの人々の人生もしっかりと描かれています。

戦後闇市から現代まで、人々の息づかいと時代のうねりを甦らせて描く警察小説の傑作。
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女王国の城




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女王国の城 (創元クライム・クラブ)
「女王国の城」有栖川 有栖 (著)


舞台は、急成長の途上にある宗教団体“人類協会”の聖地、神倉。
大学に顔を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。
室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。

様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、四人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。
“城”と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず殺人事件に直面。
外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し…。

江神シリーズ待望の書き下ろし第四長編。


ファンの誰もが待ちわびた、実に15年ぶりの江神二郎(もしくは学生アリス)シリーズ最新刊である。
その間に世の中は平成となり、21世紀となったが、彼らはまだバブル華やかなりし頃にいる。

今回の舞台はそのバブルを背景に作られた、宇宙人をあがめる新興宗教の本拠地である「城」と「城下町」という、特殊な閉ざされた環境下にある山間の街である。
宇宙人だの新興宗教だのが出てくるというとひく人もいるだろうが、あくまでも物語の道具立てとしてであって(おそらく作者はこれらに懐疑的な人と思われるし)、メインはそこで起こった殺人事件と、警察に通報できず「城」に閉じ込められてしまったEMCの面々の推理と冒険(?)である。

奇をてらったわけではなく、実にストレートな本格ミステリだと思う。

「読者への挑戦」も健在である。
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風の歌を聴け


1973年のピンボール


羊をめぐる冒険


ダンス・ダンス・ダンス(上)




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風の歌を聴け (講談社文庫)


1973年のピンボール


羊をめぐる冒険


ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)
「羊をめぐる冒険」村上 春樹 (著)


これは楽しい!!

いわゆる「僕とねずみ」シリーズ初期三部作の締めくくりと言われているが、本書は単独で読んでもストーリー展開にワクワクできるエンターテイメント作品だと思う。
読み進むうちに意外に早く終了してしまうボリュームの少なさが残念なぐらいだ。

シリーズ原点とも言えるような過去のエピソードで物語は幕を開ける。
話は現代に転じて主人公たちは唐突に不可思議な状況に中に投げ込まれる。
村上作品で特徴的な展開だ。

さらに話は過去の中国から現代の北海道へと展開し、ひとりぼっちとなった主人公は「羊男」に遭遇し物語は結末を迎える。
そしてエピローグで主人公は、あの故郷へと回帰していく。

プロットの発想はSF的でさえある本書は、傑作と呼ぶに値すると思う。
後年の「ねじまき鳥クロニクル」に通じるエピソードや、村上作品のモチーフを探すのも楽しい。

(できたら「風の歌を聴け」⇒「1973年のピンボール」⇒「羊をめぐる冒険」⇒「ダンス・ダンス・ダンス」の順に読むと良い。)
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド




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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
おすすめファンタジー「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」村上 春樹 (著)


高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。
老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。

静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

作品冒頭、巨大なエレベーターでポケットのコインを数える印象的なシーン。
そして、金色の一角獣、ピンクの太った娘、老博士、夢読み、影、やみくろ、歌の消失した世界……
作家の豊かな想像力を見せつける数々のキーワード。

2つの話が並行的に語られるが、あまり気にせず本の順序通りに読み進めると、不思議なシンクロ感が味わえる。
意表をつく結末も、読む者におおきな宿題を投げつけられたようで、私自身未だ折に触れて読み返してしまう要因かもしれない。


「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」という作品は2つの世界が交互に現れる。
ハードボイルド・ワンダーランドでは時間が加速したり減速したりひっきりなしに事件が起きて「私」はいきつくことがない。
それに対し世界の終わりではゆったりとした時間が流れる、そして「僕」は光を失い「影」と別れる。

生命の繰り返しがつづき人は記憶を失う。
つまり、世界が「終わる」とは時間・空間の均質化なのである。

世界自体は続くのではあるがそれは、「終わる」ということに等しいのだろう。

ところで、私たちは今科学が発達したいわゆる文明社会というものに生きているが、このような均質化が身近なところに潜んではいないだろうか?

タレントがはしゃぐだけのテレビ番組、いつ動作しても同じ結果しか出ないコンピューターハードボイルド・ワンダーランドで技術の発達が世界の終わりの危機をもたらしたように現代の科学技術も世界を終わらせうるものではないのだろうか?

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