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サクリファイス




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サクリファイス
「サクリファイス」近藤 史恵 (著)


ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ。

勝つことを義務づけられた〈エース〉と、それをサポートする〈アシスト〉が、冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。
初めて抜擢された海外遠征で、僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。
それは、単なる事故のはずだった――。

二転三転する〈真相〉、リフレインの度に重きを増すテーマ、押し寄せる感動・・・・・。
青春ミステリの逸品。


「ミステリー」だとか「サスペンス」を期待して読むのは間違いだろう。
これはいわゆる殺人や犯人探しの物語ではないから。

しかし、そんなことは面白さとは関係ない。
これは「サイクルロードレース」という、日本人にはまだ馴染みの薄いスポーツに人生をかけていこうとする若者の物語。
ロードレースならではのルール、組織、葛藤、問題をこれほど見事に盛り込んだ「小説」が日本でやっと生まれた、記念すべき作品ではなかろうか。

主人公は自転車ロードレースのプロチームに所属する「アシスト」。
アシストとは、リーダーたる一人の選手の為に走る、支える存在。
でも、彼らがいるからこそ、リーダーは勝利への責任を負っているのだ。

「サクリファイス(犠牲)」とは、はたして何なのか、そして誰なのか。
最後まで気をゆるませない展開と、可能性に満ちたラストシーンに、読後は知らずに涙していた。
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悪果




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悪果
「悪果」黒川 博行 (著)

癒着、横領、隠蔽、暴力・・・
日本の警察の暗部を描き出すノワールの傑作!

大阪今里署のマル暴担当刑事・堀内は淇道会が賭場を開いているという情報を掴み、金曜日深夜、賭場に突入し二十八名を現行犯逮捕する。
堀内は、賭場に参加していた学校経営者を経済誌編集・坂辺を使いゆすり始める…


かつてなくリアルに描かれる捜査の実態。
日本警察の真実のなかにあぶりだされる男たちの強烈な光と闇。


舞台は大阪、架空のB級警察署「今里署」。
そこに勤めるノンキャリアの暴犯係の堀内という四十歳の刑事が主人公。
優秀なマル暴の刑事であるが故に地回りのヤクザと関わり、ネタ元という協力者を培養する。
そのためには必要経費を含めて自前で賄うために非合法なシノギに手を染めて行かざるえない。

官僚の中の官僚組織とまで言われる階級重視の警察の中で、出世や昇進を諦めた現場の刑事の葛藤と欲望を綿密な取材と虚構を織り交ぜながら読み手をどんどんと作品に引き込んでいく力はさすがに作家の25年のキャリアを感じさせる。
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天空の蜂




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天空の蜂 (講談社文庫)
おすすめサスペンス「天空の蜂」東野 圭吾 (著)

奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。
無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。
日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非情の決断とは。
そしてヘリの燃料が尽きるとき…。
驚愕のクライシス、圧倒的な緊迫感で魅了する傑作サスペンス。


盗まれた最新鋭ヘリが高速増殖炉の上に落ちるまで数時間という緊迫の展開。
小気味いいのは、登場人物たちがプロの仕事をきっちりこなすことだ。
人命を賭してレスキューする自衛隊員、一瞬のすきをついて自分の仕事をするヘリ開発技術者、地道な捜査で犯人を追い詰める警察官、それぞれに地味だがいい仕事振りである。

正統派クライシス・サスペンス、犯人を明かしつつ、その動機を最後まで謎にとっておく筆の運び方といい、東野サスペンスの一つの頂点であろう。


エンターテイメントとしての完!成度が高いことはいうまでもなく、メッセージ性を内包しながら声高にならないところが東野作品らしい。
放射能を浴びる原発労働者の悲惨さ、原発労働者の子どもたちに対する苛めも丹念に描く。
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悪人




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悪人
「悪人」吉田 修一 (著)


なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――

携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。
再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。
二人は互いの姿に何を見たのか?
残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。
一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。

保険外交員の女が殺害された。
捜査線上に浮かぶ男。
彼と出会ったもう一人の女。
加害者と被害者、それぞれの家族たち。

群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。
なぜ、事件は起きたのか?
なぜ、二人は逃げ続けるのか?



冒頭から、今作の登場人物たちのぐだぐだとした満たされない日常生活の中で湧き起こる儚い嘘と悪意の心理描写の上手さにぐっと引き込まれる。
ある「悲劇」が起こった後は人間の深淵に潜む「業」の様なものを読んでいくのかと思いきや、物語は第3章で劇的に変貌する。

そして、悪人とはいったい誰なのか。

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オリンピックの身代金




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オリンピックの身代金
おすすめサスペンス「オリンピックの身代金」奥田 英朗 (著)

昭和39年夏。

10月に開催されるオリンピックに向け、世界に冠たる大都市に変貌を遂げつつある首都・東京。
この戦後最大のイベントの成功を望まない国民は誰一人としていない。
そんな気運が高まるなか、警察を狙った爆破事件が発生。

同時に「東京オリンピックを妨害する」という脅迫状が当局に届けられた!
しかし、この事件は国民に知らされることがなかった。

警視庁の刑事たちが極秘裏に事件を追うと、一人の東大生の存在が捜査線上に浮かぶ…。
「昭和」が最も熱を帯びていた時代を、圧倒的スケールと緻密な描写で描ききる、エンタテインメント巨編。


いきなりオリンピック直前に沸く60年代の東京の街並みが活写され、その時代考証ぶりに幼心が甦るが、物語はこの後、東京と秋田、千駄ヶ谷周辺と飯場ニコヨンと、まるで正反対の“世界”が交互に描かれ、正に、富む者と貧しき者、繁栄する側と取り残される側、高度経済成長期に於ける光と影が照射される展開となる。

様々な要素が盛り込まれ、読了後も幾多の思いが胸をよぎる力作、奥田ファンならずとも文句なくお薦め。
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